柴田研究室

鹿児島大学大学院理工学研究科建築学専攻/鹿児島大学工学部建築学科
建築設計・デザイン理論研究室


美しい街並み、カッコイイ建築、ワクワクする空間はどの様に生まれるのでしょうか。 私達の研究室では、建築・インテリア・家具などの分野において「デザインを通して豊かで新しい空間を創出する」ことを目標として、デザイン論理の研究と実践的なデザイン活動の二本柱で活動し、デザイン論理の研究では、以下のような研究に取り組んでいます。


視覚的快適性に関する研究

上述の「美しい」「カッコイイ」「ワクワクする」といった形容詞は個人的な趣味のように捉えられてしまい勝ちですが、ある程度で共通項が存在します。 そこでこれらを視覚的な快適性と言い換え、その性質がどの様な項目から導かれるのかを、既存の都市や建築の形態、色彩、テクスチャ、空間構成などの調査やアンケートによる印象評価分析から研究し、デザイン評価の基盤となるデータを蒐集していきます。


建築空間における
色彩表現手法に関する研究

日本の建築では色よりも素材表現に重点が置かれることが多い様に思いますが、海外の建築では色彩表現に特徴のある作品が数多くあります。 これら色彩表現に特徴ある建築作品について、使用している色、使用されている場所や用途、色の構成などについて調査分析し、その効果を考察していきます。色は大きさや形態に比べてより強く認識される因子です。色彩表現について研究することは建築表現の可能性を広げることに繋がると考えています。


リノベーション建築における
デザイン手法に関する研究

現代はスクラップアンドビルドで新築するだけの時代ではなく、社会ストックとしての既存建築を如何に再利用していくかを考えなければならない時代です。リノベーションの実例をデザイン的視点から調査分析し、今後の建築設計の可能性を広げていきたいと考えています。リノベーションではその建築自体だけで無く、周辺環境や歴史的背景などがより重要性を持ってきますので、これらを複合的に調査する必要があります。


インテリアデザインにみられる
空間構成に関する研究

建築は外観やプランだけではなく空間であり、特に内部空間のインテリアデザインは人に一番近いデザインであり、人と空間との関係を考える上で非常に重要な要素です。建築全体の研究に比べ、細部へと入り込んだ研究となりますが、この細部のデザインが空間の質に大きく影響してきます。


建築家清家清に関する研究

清家清は1950年から90年代にかけて活躍した、戦後モダニズムを代表する建築家のひとりです。「森博士の家」や「斉藤助教授の家」などの初期住宅作品において、特に高い評価がなされ、後世の住宅デザインに大きな影響を与えています。 これらの作品は、時代的に西欧化が提唱される中で和と近代とを見事に融合させ、清家の設計思想である「一室空間」や「舗設(しつらえ)」の概念が生かされており、今なお古さを感じさせない魅力を持っています。これら清家作品を研究することは現代住宅の設計に大きな示唆をもたらすものと考えます。


戦後の住宅作家および
住宅作品に関する研究

住宅は建築の基本です。われわれの生活様式に直結している戦後の住宅作品を研究することにより、現代住宅作品までの系譜を把握し、その未来像を考察していきます。 また前述の清家研究とも繋がりますが、住宅作家の設計手法について研究することで、先人達の知恵を学び、新たなデザインツールへと発展させていきます。


Copyright(c) 2014 SHIBATA Laboratory All rights reserved.